KT

2007年3月10日
「金大中事件の政治決着」(古野喜政・東方出版)

現在読み始めたところだが、
スパイ小説も真っ青の迫力である。

法治国家で一人の人間が拉致された。
金大中。

こういう事が起きた場合、政府の対応は

「国際的慣例に沿った解決を図ること」
その内訳として
「陳謝」「犯人の処罰」「再発防止」「原状回復」
が挙げられるそうだが、
日本政府はそれを放棄し、玉虫色の政治決着を図ろうとする。

その立ち回りが他国政府にも付け入る隙を与える。
(北朝鮮政府の指示による拉致もこの前後に起きた)

そして現在、それをリサイクルして政治利用を図る現政府の振る舞い。

また同時期に起こった「民青学連事件」での対応も然り。
ソウルで逮捕された日本人二人に対する外務省の処遇は
イラクでの日本人拉致事件の対応と相似する。

朴軍事政権の
四人組の横暴や、彼らさえも排除して「monolith(一本石化)」
維新体制へ暴走し、暗殺される朴の様子など
「あいつだけは許せない」と韓国政府高官から言われた
記者による本。
33年間この事件を追い続けたそうである。

「二つのコリア」のD・オーバードーファーとも
交流があるらしく、いろいろな人の流れが交錯しているなあと。

あとがきの、逮捕された学生の父が大統領宛と駐日大使宛に書いた手紙の文面を読むと、なんともなんというか、
この国の政府はそういう「伝統」があるんだなと思わざるを得ない。

ブラジルへの棄民政策、大陸の残留孤児etc

果たしてそれが「美しい国」なのか。

結局問いはそこに収斂されてしまう。

ちなみにこのネタ元は韓国政府の「外務部文書」である。
日本政府の外交文書ではない。

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年5月  >>
27282930123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

まだテーマがありません

最新のコメント

この日記について

日記内を検索