ウォーフィーバー

2006年8月22日
J.G.バラードの
短編小説を思い出す、昨今の中東。

なんというか、
作家のイマジネーションはやっぱりすごいと思わされる。

内戦に明け暮れるベイルートがこの小説の舞台である。
実は完全に世界の暴力が国連の管理下のベイルートに封じ込められていた近未来の世界・・・という筋書き。

そんなもの封じ込められるはずもなく、ちょっとした
割れ目から完全に耐性を失った外の世界へベイルートから
暴力があふれ出ていく・・・・。

今週の日曜日、イラク、バグダッドのシーア派の人々が巡礼で橋を渡っていて、
狙撃されて少なくとも16人が殺されているけれども、
もうなんか、正直、不感症だ。
アメリカは何をしたかったのか、
みすみすパキスタン〜アフガニスタン〜イラン〜イラク〜シリア〜レバノン〜地中海。
しっかり暴力の回廊をつくってしまったではないか。
おそらくイラクを「民主化」してイランとシリアの間に
楔を打ち込むつもりだったのだろうけれど。アフガンもパキスタンとイランの間に、という戦略だったのかもしれない。
そんなにうまくいくはずもなく。

たしか「第三次世界大戦秘史」という短編集の中のひとつ。
「〜秘史」もレーガンの病状報道が過熱しすぎて
世界大戦が起きて数分で世界が滅亡したということに
アメリカ国民がただひとり、小児科医を除いて気がつかなかった
という小説。

昭和天皇の下血報道の時の日本のようだったことを
読んでいて思ったことがある。

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