ふと、異国の香りがした。ー三銃士　姫を守るの巻ー

朝八時集合。
面子はナニワの三銃士こと巣路、無国籍、俺。
平均身長180以上。どうだ、参ったか。
国体代表を二人も擁し、無国籍はIQ200（嘘）で、身長は189。
姫は日独ハーフのM。元貴族だから、ちょうどええわいな。

集合場所はJR天王寺駅前。
そこから、天王寺公園を回って、新世界、
そして、釜ヶ崎へ。

昼間から、職にあぶれた、高齢の日雇い労働者
が道路にたむろしている。

ピークはすぎたが、現場に
労働者を運ぼうとする、バスが止まっていて、
その収容人員をはるかに超えた労働者
がその周りを囲んでいる。

南海本線沿いに通りをいったりきたり。
道端には、露店がでている。

道には人間が大勢うろうろしているのだ。
小便臭い匂いがあたりいっぱいである。

午後からお会いする施設の住所を確認してから、時間をつぶすために、新世界へ戻る。
小一時間ほど、囲碁将棋会館で将棋をする。
そのあと、向かいの串かつ屋に入って昼食。
「ソースの二度付けお断り」
しっかり二度付けしたけど。

午後から再び釜ヶ崎に戻り、施設の方から、
この地域の歴史と現状や、活動内容についてお話をうかがう。

ここはアルコール中毒の方の復帰支援を行っているキリスト教系の施設である。

仏教系の施設が一つもないのが驚きであった。

あまりにも違う世界に思考が停止してしまう。

すっきり晴れ渡った青い空が、釜ヶ崎と
やけに、きれいなコントラストをなしていた。

色々な細かい矛盾をあげればきりがない。
秘密日記ででも聞いていただきたい。

一番おすすめするのは、実際そこにいってみることである。

正社員が激減している最近、将来的には
さらに流動化した労働者市場のあおりをうけ、
高齢になった人から順番にこのような人々
が集まる地区が増えてくるはずである。

個別の行き当たりばったりの施策ではなく、
包括的な弱者救済のシステムをつくる必要がある。

何歳になっても、教育をうけれるようなシステム。　　

自分の頭で考えることができるようになる教育システムができないものだろうか。

あるいは、しっかりと現実を受け入れるだけの
強靭な思考力をもった人間を今まで以上に生み出すことのできる教育システム。

まだまだ、漠然としているな。
これをもっと具体的に。

※　　　　※　　　　　※
そのあと、雰囲気をがらりと変え
天保山へ行く。海遊館も、観覧車も
休み。
その分人も少なく、とても快適。
サントリー美術館の最上階で、それぞれコーヒーやら、ジュース片手に、太陽が淡路島に沈むのを
眺める。

地下鉄を経由して、わが館へ姫を招く。
今回は前日から仕込んでおいた
タイカレーである。
ナンプラーを使ったシーフードサラダ
と、ココナッツミルクと牛乳とバナナを
煮込んで冷やしたデザートもあった。

姫は九時三十分にはお帰りになられるので、
名残惜しく、いろいろ話しておったり、
途中からお仕事おつかれさまの陳宮が
乱入したりと、
せっかくのデザートを供する余裕がなかったのだ。
ホストとして、なんたる失態。
腹切りものである。

しかし、地下鉄の駅前まで送り届け、
われわれのミッションは無事に果たしたのであった。