読書漬け

2002年1月2日
昨夜の夜は
「セブン」を見た。
95年の米映画。
「エイリアン3」のD・フィンチャー監督。
ブラッド・ピット、モーガン・フリーマン
グゥイネス・バルトロウ、ケビン・スペイシー、等、今考えると、錚々たるキャスティング
。しかし、この映画、キャスティングなんかよりも、
その脚本が良かった。
ラストのせりふしか覚えていないが。
フリーマン演じる老刑事が言う

「ヘミングウェイが言ってたよ。『この世は素晴らしい。だから戦う価値があるんだ』。俺は
前半部分は賛成できないけどな。」
ラストで、これをもってきた。

昔から何でも、見たら見っぱなし。
やったらやりっぱなし。で、振り返る
ことをしない男だった。
たまには、見返してみると新たな発見があるもんだ。

読書の話をしようと思ったのだが、
「セブン」の脚本があまりにも良かったので、
ちょっと触れた。この脚本のベースになっているのはキリスト教の「七つの大罪」。
やはり、そうでしたか。 聖書はほんと、あらゆる西洋の芸術作品のモチーフになっているから。
結局、その脚本家の名前はわからず。
たまには、アメ映画もいいのつくるじゃないか。

新潟はすることがない。
僕の実家は、町なのであるが、幹線国道、主要
地方道、そして羽越本線、白新線なる、鉄道網
からも距離がある、まさに陸の孤島で19年間
の人生を送った。
それは、ある意味良かったことだと思う。
純粋培養された。
川端康成、武田泰淳、谷崎、等々
めちゃくちゃっ読みまくった。全然覚えてないけど。

一人ませてたし。かなり傲慢やった。
周りを馬鹿にしてたし。うまく調子を
あわせながら。

で、今日は池澤夏樹を再びレビューしてました。「タマリンドの木」読んだけど、
やっぱり、彼の作品は「スティル・ライフ」
と「真昼のプリニウス」が傑作だと思う。
ほんで、自分の本棚漁ってみたが、
ない。
おかしい。あるはずなのに。

しゃあないから、日野啓三を読む。
「台風の眼」を読み返す。
赤裸々な自伝的私小説。
この人ガンにかかってて、病床で
自分の人生残りわずかという意識で
この小説を書いた。
その後、奇跡的に回復して、まだ生きてるけど。
この人の文章は乾いている、ドライな文章。
新聞社で長年はたらいていたため
でもあろうが、新聞社的文体をなんとか克服
しようとしてできないところ、とても
人間くさい。


そのあと、
山本直樹の「ビリーバーズ」を読む。
漫画なんやけど、このひと、激しいセックス
描写で偽装しながら、何らかのメッセージを
伝えている。わかる人にはわかるんやろうけど。俺はわからんが。二重の戦略で賢い。エロしか求めてない人にもオナニーネタで売れるし、芸術作品としてもハイレベル。
憂いのある女の子の眼を描かせたら山本
直樹の右に出る者はいないだろう。
台詞もいい。単なるエロではない。
逆に俺はそこで、欲情する。

彼の作品は幻想と現実が交錯する。
ミルチャ・エリアーデの
一連の小説群を思い出す。
悪夢を見ているような。
この人の妄想に付き合う価値はある、と思う。

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